地球環境の限界(プラネタリー・バウンダリー)

iruma-shimin

「地球環境の限界(プラネタリー・バウンダリー)」とは、「その限界内であれば、人類は将来世代に向けて発展と繁栄を続けられるが、限界を越えると、急激な、あるいは取り返しのつかない環境変化が生じる可能性がある」境界のことです。

みなさまもご存じの通り、あの悲惨なISのテロ事件直後に、COP21(コップ21)がパリで開かれ、歴史的な合意に達したと報じられました。気候変動枠組条約は1992年に採択され,1994年に発効しました。京都で開催された1997年のCOP3では,2年間の交渉の結果として京都議定書が採択されましたが、先進国だけがその義務を負うという偏ったものでした。今回の合意は、先進国だけでなく、あらゆる国がCO2の排出を削減し、産業革命前に比べて平均気温の上昇を1.5℃以内に抑え、地球環境を壊さないという画期的なものです。

このCO2の排出による気候変動のほか、地球環境に影響を与える様々な事象があります。海洋の酸性化、成層圏のオゾンの破壊、窒素とリンの循環、世界的な淡水利用、土地利用の変化、生物多様性の損失、大気エアロゾルの負荷、化学物質による汚染という、気候変動を含めた9つの境界が特定され、測定されています。これらの境界は、例えば土地の利用は生物多様性に影響を与えるように、相互に関連しています。

この限界点を知ることで、地球環境に壊滅的な変化が起こることを回避できるという研究で、スエーデンのヨハン・ロックストローム博士は、2015コスモス国際賞を受賞しました。筆者は平成27年11月10日に東京大学安田講堂で行われたその授賞式に参列してその話を聞くことができました。1972年のローマクラブで発表された「成長の限界」を克服することができる画期的な研究です。つまり、プラネタリーバウンダリーの研究を続けてその対策をとれば、人類の「持続的発展」は可能であるということです。

このことを言い換えれば、「身近な環境の保全活動を続けていけば、私たちの生活を原始生活に戻すということはしなくても、快適な生活を続けていくことができる」ということですから、みなさま、孫子の代につけを回さないように、環境保全活動に心して取り組みましょう。

2015.12.22 Dr.manboh

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